エッセイ:「休日」について

 フリーランスとして働いていると仕事日と休日の区別がつきにくくなる。私の場合、仕事日といっても一日フルで予定がつまっていることはなく午前だけ、午後だけといった日が多いし、仕事のない日はない日で原稿の執筆や講演スライドを作成しているので休日とも言いにくい。

幸いに、仕事が趣味で趣味が仕事といった日々ではあるけれど、それはそれとして仕事と休みの区別が曖昧であることに漠然とした居心地の悪さを感じていた。

 そんな折、あるエッセイに「人間は天心で生きるべきだ」という言葉を目にして、これだ!とおもった。天心とは生まれたての子どものような気持ち。そんな気持ちで過ごせる一日こそが本当の休日だと思った。

小さな子どもには未来も過去もなく、今この瞬間を生きている。

私は休日を、「過去のためでも未来のためでもない日」と考えてみることにした。過去に負わされたタスクを処理する必要もなく、未来に向けて何かを準備する必要もない、今日この日のためだけに時間を消費する。

やり残した仕事に追われるのは論外だが、「明日からの仕事に備えて今日は体を休めねば」と思うのも本当の休日ではない。明日がどうであろうと今日やりたいことをやるのが休日だ。

そう考えるようになってから、休日が誠に贅沢なものとして楽しめるようになった。最もそんな休日を過ごすためには、それ以外に日にやるべきことはやっておかねばならないのだが・・・。

 

趣味で初めて1年になる弓道。先月初段を得た。過去でも未来でもなく、今この瞬間に全てを込める。

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