親御さんのレビューが400件以上!
LITALICOさんが準備中の発達障害ポータルサイト「発達ナビ」に注目しています。
このサイトは現在、正式オープンに向けて、学校や幼稚園、病院、療育施設を利用している親御さんからのレビューを募集しており、その数はすでに400件を越えています(2015年11月時点)。
まだ地域や種別で検索することは出来ない状況ですが、それでもこの大量のレビューは、発達障害のある子の支援に携わる者にとって非常に貴重な資料です。
というのも、親御さんが各々の施設に何を求めているのか、どこに満足を感じ、どこに不満を感じたのかがわかるからです。
大量のレビューから見えてきた医療・療育機関の現状
掲載されているレビューの約半分、200本ほどのレビューを読みました。
これくらい読むと、各施設に親御さんがどんな期待を抱いているか、またどんな不満を感じているか、ある程度共通項が見えてきました。
以下にまとめてみます。
- 医療機関(病院・クリニック)
- 発達障害の診断ができる医療機関はどこも混み合っている様子。予約から診察まで数ヶ月かかるところが多い。また、診察室での待ち時間も長く、2~3時間になるところも。そのため、待合室におもちゃや絵本が配備されているかどうかを気にしている親御さんが多かった。
- 医師の説明の態度を気にしている親御さんが多かった。丁寧な説明に安心したという報告がある一方、医師が子どもの障害に関するネガティブな話を親としての心情に配慮せずにずけずけと言って、傷ついたり怒りを感じたという報告もみられた。
- 療育機関(市区町村が運営する公的なもの 「◯◯市療育センター」など)
- 療育の頻度が低いのが気になる。二週に一回、あるいは一ヶ月に一回というところが多い。療育内容に対する不満はさほど聞かれなかったが、この低頻度で効果が挙がっているのか?やや疑問ではある。
- 親御さんは頻度が少ないなら少ないなりに、療育自体の効果というよりは、定期的な発達チェックの場として、また子育ての悩み相談の場として割り切って利用している印象。
- 療育機関(民間 放課後等デイサービスを含む)
- 親御さんが気にしているのは、職員の対応の丁寧さ、職員の障害への理解度、など。提供するプログラムの内容や療育効果への言及はあまり見られなかった。
- 職員の丁寧な対応や、子どもが笑顔になって楽しんで通っている様子などに満足している親御さんが多かった一方、療育を受けたことで子どもの成長が具体的に感じられたことに言及するレビューは、比較的少数であった。
- 具体的な療育成果という点では、昔ながらの療育機関でかなり厳しく指導をしているところがあり、生活スキルなどの向上が見られるなど親御さんの評価が高かった。
- 放課後等デイについては、送迎の有無や、休日預かり時間の長さなど、お預かり施設としてどれだけ使いやすいかも重視されていた。
- 不満として最もよく聞かれたのは「指導員の異動の多さ」。子どもと担当する指導員の間に信頼関係ができてもその指導員が異動してしまうことが多く、代わって担当した指導員のレベルが低かったり、引き継ぎ不充分で担当が代わる度子どもの状況を繰り返し報告しなければならないといった不満が見られた。
療育の成果は挙がっているのか
これらのレビューのうち、特に療育機関に関することで、私が注目したのは、その施設に通った結果、お子さんに具体的な成長が見られたかどうか、という点です。
約200件のレビューの中で、その施設に通ったことでお子さんにプラスの変化が起きたことを報告したものは相対的に少数でしたが、その中には「変化に驚いた」「大きく変わった」という報告もあり、親御さんからみてきちんと結果を出している療育施設も確かにあるのだと感じました。
以下に、子どもが具体的に成長したことを報告している施設のレビューのリンクを以下に貼り付けます。
これらのレビューを順番に読んでいくことで、「結果の出せる教育・療育施設」のレベル感がつかめるのではないでしょうか。
よろければ参考になさってください。
現在もレビューを募集中
「発達ナビ」さんでは現在もレビューを募集しています。レビュー1件につき、500円の商品券がもらえるということですから、保護者の皆さんはレビューを投稿されてみてはいかがでしょうか。締め切りは12月31日までとのことです。