Vol.1 アナログゲーム療育「育ちのポイント」とは

初めまして。アナログゲーム療育アドバイザーの松本太一です。

このコラムでは、療育の現場で使用しているゲームを紹介しつつ、アナログゲーム療育がどういうものなのか、皆さんにお伝えしていきます。
とはいえ、ゲームの魅力や意義を文章だけでお伝えするのは難しい・・・。そこで皆さんにご紹介したいのがYoutube「遊びと育ちチャンネル」です。

このチャンネルは、私松本太一が、ボードゲームの総合企業「すごろくや」さんの協力で運営しているものです。月2回更新があり、アナログゲーム療育で使用しているゲームをご紹介している他、対談や特別企画なども実施しています。このコラムでは、毎回一つの動画を取りあげつつ、その中で語りきれなかったことや最新の気づきなどをお伝えしていきたいと思います。

 

初回は、私の自己紹介とチャンネルの概要を説明した動画です。今回のコラムで改めて解説したいのがこのチャンネルの特徴である「育ちのポイント」です。

この「育ちのポイント」はより詳しくいうと、ゲームを通じてお子さんが発達するための大人の関わりのポイントのことです。各ゲームについて、どんなときにどんな言葉がけをすればよいのかを、実際のプレイ場面を想定しながら解説しています。

背景にあるのは、旧ソ連の心理学者レフ・ヴィゴツキーの提唱した「最近接発達領域」という考え方です。そのお子さんが一人でできることと、まだできないことがあります。その中間に一人ではできないけれど、他者の手本や手助けがあればできる部分がある。これが最近接発達領域です。この領域にあわせて課題の難易度を設定することで、お子さんは意欲的に取り組み発達することができます。

ここでいう他者とは、一つは一緒に遊んでいる他の子どもたち。もう一つはルールをわかりやすく解説したり、わからないときにアドバイスする大人の存在です。

アナログゲーム療育がただ子どもたちがゲームをすることと異なるのは、一つのテーブルに必ず一人以上大人が入り、お子さんたちがゲームをスムーズにプレイするのをサポートしつつ発達の機会をつかめるよう働きかける点にあります。

そのためのゲームの選び方・グループの組み方・お子さんの観察の方法や言葉のかけ方、トラブルへの対処などが、アナログゲーム療育の技術を成しています。

これからこのコラムでは、様々なゲームとともにその技術を紹介していければと思います。ぜひご期待ください。

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